中小企業は大手企業と比較するとリソースが圧倒的に不足しており、勝つことは難しいといわれてきましたが、ITの進歩や普及によって経営環境は変化しています。
これにより中小企業であっても大企業に打ち勝ってシェアの拡大・獲得が可能ですが、そのためにはマーケティングを正しく理解しておかなければなりません。
今回は中小企業がマーケティングを行う重要性や理由、ポイントなどを紹介します。
今回のポイント 1.マーケティングの基本は「顧客にどのような価値を提供するのか」を考えること 2.マーケティングが推進しない大きな要因は経営者の意識とリソース不足 3.マーケティングを成功させるためには組織再編と意識改革が大切 |
中小企業におけるマーケティングの重要性
今後、中小企業のマーケティングの重要性は高まるといわれていますが、その理由としてあげられるのがITの進歩です。
例えば、AIやロボットが普及し自動化されてくると利便性やサービスの差はほとんどなくなっていきます。
このような状況下で競合他社と差別化を図っていくためには、マーケティングによってユーザー自身でさえもまだ気付いていない潜在ニーズを掘り起こしていく以外に道はありません。
またITの進歩によってインターネットの利用が一般化したことで、Webサイトへの検索件数や訪問者数、見込み顧客などのように様々なものをデータ化して数値として可視化できるようになりました。
そのため、これらのデータをマーケティング次第に活用すれば中小企業であってもシェアの拡大や獲得が可能となってきています。

中小企業がマーケティングを推進できない理由
前述のとおり、マーケティングを取り巻く環境は大きく変化していますが中小企業の多くはマーケティングを推進できない状況です。
ここでは中業企業がマーケティングを推進できない理由を3つ紹介します。
経営者の理解不足
中小企業でマーケティングが推進しない理由としてあげられるのが「経営者の理解不足」です。
経営者自身がマーケティングをきちんと理解して必要性を認識していなければ、マーケティングの課題を認識することができず必然的に優先順位は低くなります。
マーケティングの優先順位が低くなってしまえば、後回しとなってしまうので推進が難しくなるでしょう。
あらゆるリソースの不足
費用や人材、知識などあらゆるリソースが不足していることも中小企業がマーケティングを推進できない理由の1つです。
本格的にマーケティングを行う場合、マーケティングの専門知識やノウハウを持った人材がいなければ、外注したりスキルを持った人材を雇用したりしなければなりません。
マーケティング部門がない場合は、必要に応じて部門を新設しなければなりませんが、この場合予算を確保して人件費や設備費用に投資する必要があります。
しかし、中手企業は投資に割くほどの余裕がないケースも多く、仮に投資分の予算を確保できたとしても大企業と違って資金が潤沢ではありません。
また営業やコスト削減と違ってマーケティングはすぐに成果が表れるものではないため、結果として技術や商品開発が優先されてしまい、マーケティングが推進されないというのが現状です。
ITの導入遅れによる業務効率の悪さ
ITツールの導入が遅れていることによって、マーケティングを効率よく行えないのも推進できない理由としてあげられます。
前述のとおり、ITの進歩などによって様々なものをデータ化して数値として可視化できるようになりました。
しかし、導入する初期コストやシステムを使うための教育に時間がかかることを理由に導入が進まないといったケースも多いです。

中小企業がマーケティングを成功させるためのポイント
ここでは中小企業がマーケティングを成功させるためのポイントを4つ紹介します。
効果的にマーケティングを行っていくためにも、それぞれの特徴をしっかりと理解していきましょう。
マーケティングに強い企業にする
マーケティングを成功させるためには環境を整備してマーケティングに強い企業にしなければなりません。
そのためには「スキルや知識の習得」と「組織体制の再編」の2つを行う必要があります。
1つ目は「スキルや知識の習得」です。
マーケティングは様々な技法があり、アプローチする相手や業種などによって、重要なポイントやデータ収集・分析方法が異なります。
そのため、専門書やセミナーなどに参加しながらマーケティングに必要なスキルや知識を習得していきましょう。
2つ目が「組織体制の再編」です。
前述のとおり、予算や人材などのリソース不足でマーケティングをするのが難しいのであれば、社長や経営陣などが兼務する形でマーケティングを行ってみるとよいでしょう。
このように、いきなり再編するのが難しい場合は少しずつ組織体制や業務内容を見直しながら、マーケティングを推進できる組織体制へと整備することが大切です。
マーケティングを戦略と捉える
マーケティングを単なる施策としてではなく、企業戦略として捉えるようにしましょう。
「顧客にどのような価値を提供するか」を考えることが、マーケティングの基本となります。
世の中に何を提供できるかを明確にしたうえで商品やサービスを開発し、開発した商品やサービスを多くの方に提供するためはどうすればよいのかを考えて戦略を立てることが「マーケティング」です。
そのため、マーケティングで競合他社との差別化を図りたい場合は、自社の存在価値を明確にしておく必要があります。
自社の強みを洗い出す
マーケティングを成功させるには、自社の強みを洗い出して社内全体でその強みを把握してかなければなりません。
資金や人材などのリソースで圧倒的な差がつけられている中小企業が、大企業に勝つためには差別化を図る必要があります。
差別化するために欠かせないのが「自社の強み」です。
そのため、しっかりと自社の強みを把握して社内全体で共有しておかなければなりません。
MAツールの導入
マーケティングに活用できるITツールは様々なものがありますが、導入に迷っている場合は「MAツール」を導入するとよいでしょう。
MAツールとは「マーケティングオートメーションツール」とも呼ばれ、マーケティングの支援をしてくれるツールです。
ツールによっては多機能かつ安価で利用でき、顧客ランクごとの営業メールの振り分けや投資対効果の分析、広告などの効果測定などマーケティング業務に欠かせないデータ分析や情報管理を自動で行ってくれます。
活用すれば業務を効率化しながら、精度の高いマーケティングが行えますので、質の高い意思決定を迅速に行えるようになるでしょう。
中小企業でも導入しやすいツールは次の通りです。
・マルケト
・シャノンマーケティングプラットフォーム
・ハブスポット
上記のうち、ハブスポットは基本機能に顧客関係を管理できるCRMも備わっていますので、幅広く活用できます。
今回のまとめ
中小企業がマーケティングを行う重要性と理由、ポイントなどを紹介しました。
ITツールの進歩・普及によって様々なものがデータ化され可視化できるようになったことで、近年ではマーケティングのハードルが下がってきています。
やり方次第では中小企業であっても大企業並みにシェアを獲得できるでしょう。
この機会にマーケティングの重要性を理解し、大企業にも負けない企業作りを行ってください。