様々な企業のサイトに導入されているチャットボット。
いざ導入しようと思ったときに既製品のものを導入するのか、それとも自社開発したものを入れるのかはわかりませんが、共通して言えることがあります。
それは「事前の準備が重要」ということです。
「段取り八分」という言葉があるようにモノづくりにおいて、特にチャットボットの場合はその中身である“FAQ”の完成度がチャットボットの成否を分けるといっても過言ではありません。
その為には必要な質問数やターゲット層、マーケットの調査は欠かせません。
今回はチャットボットの作成の前に確認しておきたいポイントについて紹介していきたいと思います。
今回のポイント 1. チャットボットの導入前に必要かどうかよく検討しましょう 2. 設置場所の選定や解決したい問題、目標を明確にしておきましょう 3. 対象のユーザーに合わせたFAQを作成しよう |
チャットボットの導入前に気を付けておきたいこと
「チャットボットは」“近代的”で“便利”なツールです。
現在導入しているサイトは時機を見る力があるということで時代の波に乗っているといえるでしょう。
逆に言えば導入していないと時代遅れとしてとらえられるかもしれません。
これも一種の同調圧力でしょう。
しかし、チャットボットを導入する必要が本当にあるのかと言ったら、そのサイトによって変わってきます。
本当に導入する必要があるのか、手間やコストをかけてまで必要なのか検討する必要があります。
あくまで問題解決のためのツールなので、ただ導入したからといって「何か」が改善することはありませんので、導入後の運用がうまくいかなければ、かけたコストをまるまる損したことになってしまいます。
ここからチャットボットの導入前に事前に準備しておきたいことを紹介していきます。

設置する場所・プラットフォームを決める
ただ漠然とチャットボットを導入するだけだと失敗するだけですので、チャットボットの設置場所を決定する必要があります。
様々なメリットが存在するチャットボットですが生かせる場所に設置しなければ意味がありません。
また、チャットボットといっても複数種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあるので、目的に合ったものを選択しましょう。
チャットボットサービスが提供できるプラットフォームで種類を分けると次のようになります。
・Webサイト
ユーザーにとっては登録なしで手軽に利用でき、企業には比較的コンバージョンの高いサイトの訪問者にアプローチできるメリットがあります。
・SNS(LINE、Facebookメッセンジャー)
ユーザーには使い慣れたSNSの画面で利用できるメリット、企業にはユーザーがサイトを離れてもSNS経由でアプローチできるメリットがあります。
・アプリケーション
「Live2D」との連携や音声出力など独自のカスタマイズが可能で、エンターテイメントとしてのチャットボットを制作するのに向いています。
この内Webサイトに設置する場合でも、設置場所が自社のサービスサイトなのか、ECサイトなのか、本当にチャットボットが必要な場所を確認しておきましょう。

導入する目的や目標を明確にしておく
上記でも触れましたが、チャットボットは導入しただけでは意味がありません。
だからこそ、チャットボットを導入する目的や目標を明確にしておくこと必要があります。
チャットボットを導入することで、どんな問題を解決・改善したいのか、その問題に対してチャットボットが本当に必要なのかということも考えておきたいポイントです。
目的や目標が定まっていない状態でチャットボットを導入してしまうと、想定していたような成果を得ることが出来ずにプロジェクト失敗に終わってしまうケースもあり得ます。
そのため、導入に失敗しないように、事前にしっかりとした計画を立てることは重要です。
また、チャットボットを導入することで得られる成果に対して、具体的な数字目標を設定しておくと、その後の運用の状況を把握しやすくなります。
費用対効果に見合った成果を上げているのか、今後改善が必要なのかの判断もしやすくなります。
対象ユーザーのニーズ情報を収集しておく
チャットボットを使用する主な対象となるユーザーはどのような層なのでしょうか?
Webサイトに設置する場合でもサイトに訪問してくるユーザーにも傾向というのはあるはずです。
例えば学生や社会人という大きな枠組みで比較した場合だと利用する目的が明確に違うことがわかると思います。
そのユーザーがどんなものを必要としているのかニーズを把握することは、顧客満足度を向上させるために必須です。
現在サイトを運営していて、そのサイトにチャットボットを設置しようと考えているのでしたら、過去に寄せられた問い合わせ等のデータがチャットボットの作成に役立つでしょう。
問い合わせまでにどのページを経由しているのか把握できれば、ユーザー側のニーズが把握しやすくなるため取得してみるのもいいでしょう。
ユーザーがすでに閲覧したページの内容を伝えても、ユーザー側からすればいらない情報です。
疑問の解決につながらないだけではなく、顧客満足度を下げる結果になってしまいます。
ユーザーはそのページでは悩みを解決できなかったからこそ問い合わせているので、FAQやシナリオを作成する時はこのようなユーザー心理を考える必要があります。
また、チャットボット設置後も収集は続けましょう。
チャットボットの精度を高めるために、質問などの入力された情報をしっかりと検証し、行動パターンや質問内容、アクセスした時間帯別に必要とされやすいニーズ情報などを抽出すると今後の活動に役立てることが出来ます。
抽出したデータを活用すると、チャットボットの回答の改善だけではなく、顧客ニーズからマーケティングや商品開発に役立てることが出来るので、情報収集のためのツールとして使用することが出来ます。

チャットボットの運用専任者を決める
チャットボットを導入するにあたり、運用責任者を決めておく必要があります。
専任者を立てずに運用を始めてしまうと、改善していくにつれて回答内容が充実すると、管理できる人がいなくなってしまいます。
運用チームは1~3人の少人数で組むと内容を把握しながら進めることが出来るので効果的です。
更に、万が一の対応の際に運用責任者が誰か決定しておくと、対応がスムーズになります。
担当者が不在のままチャットボットを導入してしまうと、何か改善すべき点が判明した場合でも、誰が対応すべきか分からず、スムーズに改善することができない可能性があります。
他の問い合わせとの棲み分けを決める
問い合わせの手段が増えるのはいいことではありますが、どこに問い合わせるべきかユーザーが迷うサイト設計になっていることがあります。
ポップアップが出るタイプのチャットボットならばわかりやすいのですが、それでも「お問合せ」だけですと既存のお問い合わせフォームとの違いが分かりません。
「ご質問・ご相談」「お見積りフォームはこちら」のように、それぞれの用途をハッキリ示すことで使いやすくなります。

今回のまとめ
今回はチャットボットの作成や導入前に気を付けておきたいポイントについて紹介させていただきました。
チャットボットというのは問題解決のためのツールであり、手段の一つです。
何事も目標を明確にしないことには成功することはできません。
問題の解決のためにチャットボットを使用することが出来るのでしたら、導入してみるといいでしょう。
しかし、チャットボットは導入前の準備や導入後もメンテナンスが必要なものなので、よく問題解決のために必要なのか検討してみてください。
