ITリテラシーとは「ITに関係するものに対する理解と操作できる能力」を指します。
このことは前回の記事で紹介いたしました。
詳しくはこちらをご覧ください。
「ITリテラシーについて ITリテラシーを向上させる重要性」
ITリテラシーには複数種類があり、それぞれがIT機器を使用する際に必要な技能です。
業務をするのにITを使用しないという企業はそうないでしょう。
最低限の知識を身につけなければトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。
とはいっても具体的な危険性については紹介していませんでした。
そこで今回はITリテラシーの必要性と向上させるための方法について紹介していきたいと思います。
今回のポイント 1.ITリテラシーはトラブルを防止するために必要なもの 2.ITリテラシーの向上には定期的な講座や研修が有効 3.資格取得はITリテラシー向上のための有効な手段 |
「ITリテラシー」の必要性
近年、政府はIT化を推し進めていて、補助金なども出しているほど有用性を認めています。
IT化をするとそれまでアナログで処理していた書類や業務などがデジタル化によってIT機器を介さなければ業務を進めることが出来なくなってしまいますが様々なメリットがあります。
業務に使用する書類や資料をデジタル化すると、それまで物理的に場所を取っていた書類がなくなるためスペースを有効活用でき、素早く資料を見つけることが出来るようになり業務効率が上昇したり、議会資料の共有が容易になったりと様々な恩恵があります。
ですが、ITリテラシーが低いままIT機器を使用しているとトラブルを招く可能性があり、個人だけではなく所属している会社や関係を持っている企業まで悪影響を及ぼしかねません。
IT化というのは企業を発展させ、ビジネスモデルを効率化するために必要な事ではありますが、正しく使えなければ企業にとって害が発生する可能性があるものです。
ITリテラシーが必要になるのは企業だけではありません。
個人単位で見たときでも、スマートフォンやタブレットなどのIT機器、SNSやチャットツールといったアプリケーション、ネット通販や電子決算等のWeb上でのお金のやり取り。
ITは身の回りに浸透してきているため、正しい知識を身に着けておかなければトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。
なので、ITを正しく使用するために「ITリテラシー」を身に着ける必要があるということになります。
しかし、ITリテラシーを身に着けて、身を守るためにはどうすればいいのでしょうか。
そこで具体的にITリテラシーが低いことで起こりうるトラブルや逆に高いことで得られるメリットについて見ていきましょう。

ITリテラシーが低い場合のデメリット
それではITリテラシーが低いと何が起こるのでしょうか。
まず情報の取り扱いについて知識が不十分だと情報を守るための行動がとれません。
例えば、業務中にメールの誤送信や機密データを社外に持ち出して紛失した場合に情報漏洩してしまうかもしれません。
他にも書類を適切に処分せずゴミとして捨ててしまうと他社の者に情報を盗まれてしまう可能性があります。
SNSの発言が問題になって裁判沙汰になると個人だけではなく周囲の者まで迷惑をかけてしまうでしょう。
セキュリティ対策が不十分だとサイバー攻撃やコンピュータウィルスにより機密データを盗まれてしまうかもしれません。
このような情報漏洩が一度でも起きてしまえば企業の信用に大きく関わり、業績の低下にもつながりかねません。
また、個人の場合はどうでしょうか。
ITリテラシーが低いと情報を得るための方法にも疎いということになります。
そうなると得られる情報に格差が生じ、本来なら受けることが出来る公共サービスや福利厚生などの支援を見過ごすことになります。
最近ではコロナの給付金がありましたが、場所によっては飲食店に対して助成金を行っている所もありますし、他にも様々な支援策が用意されています。
情報をつかむためのアンテナが無ければこのような生活を助けるための情報をつかみ損ねてしまいます。
上記でも少し触れましたがSNSでの発言には注意を払った方がいいでしょう。
SNSなどのコミュニケーションツールを使用する時には情報モラルを意識しなければいけません。
ITリテラシーの「操作できる能力」の分野にあたるこれは、自分の発言がどのような影響を与えるのかを考えなければ周囲に迷惑をかけてしまうでしょう。
不適切な情報発信や相手を傷つけるような発言などにより加害者になってしまうと、その本人だけではなく所属する会社にも迷惑が掛かってしまうかもしれません。
他にも不用意に情報を発信してしまうと、個人や企業を特定されてしまうこともあります。
また、インターネット上には真偽が不明な情報が大量に流れていることを忘れてはなりません。
デマやフェイクニュースを判断できるITリテラシーが無ければ、これら嘘の情報に騙されてトラブルを招いたり、いつの間にかトラブルを起こす側の片棒を担いでいるかもしれません。

ITリテラシーが高い場合のメリット
ではITリテラシーを高いと何があるのでしょうか。
ITリテラシーには正しい情報探す能力も含まれているため、効率よく正しい情報を必要な時に素早く収集・活用できます。
理想論ではありますが、これが実現できれば業務の効率化により生産性の向上や業績や売り上げの上昇に繋がり、企業に利益をもたらし貢献できるでしょう。
また、社員のITリテラシーを向上させることは上記で述べたような情報漏洩のリスクを下げることにつながります。
ITリテラシーを向上させることでセキュリティを強化し、情報漏洩などのトラブルを防止することで企業の信頼性を上げ、もしトラブルが発生しても迅速な対応をとれるようになるので、素早い問題の解決により立て直しが容易になります。

ITリテラシーを向上させるには
ITリテラシーを身に着け、向上させるにはどうすればいいのでしょうか。
個人で本を読んで身に着けることは出来ますが、社員全体を同レベルまで身に着けさせるには効率が悪いです。
そのため、企業などの組織全体でITリテラシーを学ぶための環境・仕組みを作るといいでしょう。
ここではその具体的な方法を紹介します。
講座や研修の開催
ITリテラシーを向上させるためには、社員全員がITリテラシーに対して高い意識を持ち、講座や研修を受講することが大切です。
この講座や研修は、入社時だけではなく定期的に、または新システムの導入時などの必要なタイミングに実施することで緩んだ意識を引き締めることにもつながります。
日々進化するインターネットやIT関係の技術を取り入れる場にもなるので、定期的に開催して最新の情報に更新しましょう。
サイバー攻撃をしてくる相手も情報を更新し続けるので、対抗するためには最新の情報が必要になります。
身を守るためには勉強は欠かせません。
資格取得のための環境
ITリテラシーの向上のためには研修などの勉強が必要だと述べましたが目標があった方がモチベーションアップにつながります。
そのわかりやすい目標となるのが資格です。
IT関連の資格は様々ありますが、自社が必要とする資格の取得をサポートする制度を整えることはITリテラシー向上の一助になります。
受検費用の負担や資格手当、取得できた時の奨励金などを設けることでさらに受検するモチベーションを上げることが出来るでしょう。
代表的なIT関連の資格には以下のようなものがあります。
・ITパスポート
・情報セキュリティマネジメント
・パソコン検定
・IC3

今回のまとめ
今回はITリテラシーの必要性と向上させるための方法について紹介させていただきました。
誰もがITを利用する時代になりました。
個人もそうですが、企業の社員にITリテラシーを身に着けさせることは重大なトラブルを防止することに繋がります。
ITリテラシーが低いことで悩んでいるのなら、問題が起こらないような身近な所から慣れさせていきましょう。
ITに触れていくことでITに対する感受性が高まり、ITリテラシーを身に着ける下地が出来上がっていきます。
ITリテラシーが低いと感じている企業には適度にデジタル化された環境を用意することが求められています。
単に表面上の知識を身に付けるだけではなく、実際に活用するための環境整備や適切な社員教育を行い、情報に強い企業を作りましょう。
