中小企業に必要なランチェスター戦略とは?活用事例も3つ紹介!

近年、ビジネスにおいて聞くことが増えた言葉が「ランチェスター戦略」です。

中小企業が大手企業に打ち勝つための武器ともいわれていますが、どのような戦略なのか理解していない方も多いでしょう。

今回は中小企業に必要なランチェスター戦略の概要と活用事例などを紹介します。

今回のポイント
1.ランチェスター戦略は大企業との資金力や人材力の差を埋めてくれる
2.弱者の戦略を活用するためには3原則に従うことが大切
3.効率よく活用するためには市場動向や競合他社の分析が必要不可欠

中小企業にランチェスター戦略は必要不可欠

消費者の購買行動の変化などによって、新規顧客の獲得ハードルが上がっている現代において中小企業が大手企業に打ち勝っていくにはランチェスター戦略が欠かせません。

中小企業は大企業と比較しても、資金力や人材力などで圧倒的に乏しいため、規模が小さくなればなるほど不利です。

この圧倒的な規模の差を埋めてくれるのがランチェスター戦略となります。

オフィス

そもそもランチェスター戦略とは?

ランチェスター戦略とは、イギリスで生まれた軍事戦略の1つで、イギリス人のフレデリック・ランチェスター氏が考案しました。

ランチェスター戦略は、「武器効率×兵力」から「戦闘力」を算出した上で戦闘力が大きい「強者」と戦闘力が小さい「弱者」に分けて、それぞれの戦い方を記した戦略論です。

日本では経営論として有名で、「競争の法則」ともいわれています。

ランチェスター戦略を現代のビジネスに当てはめると以下の通りです。

武器効率:経営における資金力や技術開発力

兵力:人材の量や設備などの量的資源

戦闘力:企業規模の大小

例えば、大手企業は経営における資金力や技術開発力もあり、人材や設備などの資源が豊富ですから企業規模は当然大きくなります。

「弱者の戦略」

「武器効率×兵力=戦闘力」を理解したところで、「弱者の戦略」と「強者の戦略」の違いをみていきましょう。

弱者の戦略とは、第一の法則や弱者の法則とも呼ばれ、戦闘力の低い弱者が取るべき戦略が記されており、「局地戦で相手を追い込むこと」や「戦闘力の高い優秀な兵を補強して厚遇する」などがあげられます。

弱者の戦略をビジネスに当てはめてみましょう。

「局地戦で相手を追い込むこと」とは、大手企業が進出していないニッチ市場やエリアに進出して市場優位性を確保することです。

「戦闘力の高い優秀な兵を補強して厚遇する」とは、優秀な人材をスカウトまたは中途採用して高い給与を与えることを意味します。

この他にも、経営資源を1つの分野に集中させることで商品の質や技術力を高めて大手企業に勝負するなど活用方法は様々です。

「強者の戦略」

強者の戦略とは、第二の法則や強者の法則とも呼ばれ、戦闘力の高い強者が取るべき戦略が記されており、「広いエリアでの戦い」などがあげられます。

これをビジネスに当てはめてみましょう。

「広いエリアでの戦い」とは、武器効率や兵力量といった豊富な資源を武器に全国展開している大規模な市場で有利に戦えることを意味します。

資源が豊富ということは、それだけ余力もありますので、バランスよく配分すれば様々な事業に進出可能です。

戦略

中小企業が活用するべき「弱者の戦略」の3原則

中小企業が弱者の戦略を効果的に行うために活用すべき3原則は次の通りです。

①奇襲の原則

中小企業が大企業と対等に戦うために、大企業が狙っていない穴場を狙うことを意味します。

②武器の原則

武器効率すなわち、商品やサービス、技術の質を高めることです。

③集中の原則

局地戦を展開することで一部の市場で優位に立てるように資源を割くことを意味します。

中小企業が大企業に勝つためには、弱者の戦略を活用してニッチな市場やターゲットを狙って局地戦を仕掛けることが大切です。

ただ闇雲に局地戦を展開すればよいのかといわれればそうではありません。

ここで紹介している三原則に従い、顧客ニーズや市場動向をしっかりと分析した上で的確に事業展開する必要があります。

例えば、「奇襲の原則」に従って穴場を狙ったとしても、大企業が今後進出してくることも十分考えられるため、大企業が進出したいと思わない市場なのかしっかりとリサーチしておかなければなりません。

市場に進出した後は、大企業の動向を注視しながら「武器の原則」に従って、自社の武器効率つまり商品やサービス、技術の質を向上させていきます。

大企業が進出する気配がないのであれば、集中の法則によって人材や資源を投入していきながら局地戦で勝利を収めていくとよいでしょう。

ランチェスター戦略の活用事例

ここでは代表的なランチェスター戦略の活用事例を3つ紹介します。

今では大企業として知られているものばかりですが、どの企業も弱者の戦略を活用してきたことで有名です。

それぞれの活用方法についてみていきましょう。

事例

セブンイレブン

最初に紹介するのが、コンビニの最大手といわれる「セブンイレブン」の活用事例です。

今でこそ絶対的な強者として君臨している「セブンイレブン」ですが、創業当時はまだ弱者でスーパーが強者でした。

そこでセブンイレブンは、POSシステムなどの導入を行って武器効率を高めていきながら、知名度が低い関西をターゲットとして絞り大阪に多数の店舗をオープンさせて局地戦を展開して顧客獲得を行っていきます。

この弱者戦略によってセブンイレブンは大阪を中心に多くの顧客獲得に成功し、その成功を足上がりにスーパーから強者の座を奪い取ることに成功しました。

現在ではセブンイレブンが小売業のトップに君臨しており、弱者の戦略によって大手企業に勝利した好事例といえるでしょう。

第一三共

次に紹介するのが風邪薬市場でシェア2位を誇る「第一三共」の活用事例です。

こちらは「弱者の戦略」を上手く封じた込めた事例で、風邪薬市場シェア3位の「武田製薬」が症状別に分けた風邪薬「ベンザブロック」を3種類販売しました。

すべての症状に対応できる風邪薬ブランドによって差別化を図ってきたのですが、「第一三共」は自社商品である「ルル」のキャッチコピーを変更して、1つの風邪薬ですべての症状に対応できることをアピールし弱者の戦略の封じ込めに成功しています。

まさに市場動向と競合他社を分析して、戦略に活かすことで勝利を収めた事例です。

株式会社HIS

最後に大手旅行業者といわれている「株式会社HIS」の活用事例を紹介します。

「株式会社HIS」の弱者の戦略は徹底した局地戦の展開です。

知名度の低いリゾート地を中心にプロモーションを展開つまり大手旅行会社が進出しないようなニッチな市場をターゲットとすることで顧客獲得を行い、規模を拡大していきました。

営業所も大阪と香港の2ヵ所に絞って資源を投入して成功を収めており、まさに弱者の戦略である「奇襲の原則」を活用している事例です。

今回のまとめ

中小企業に必要なランチェスター戦略の概要と活用事例などを紹介しました。

ランチェスター戦略は中小企業が大手企業に打ち勝つために活用できる効果的な戦略です。

しかし、効率的に成果をあげていくためにはしっかりと競合他社や市場動向を分析して、大企業などが到底手を出さないような市場に進出する必要があります。

市場優位性を確保した後も、別企業が市場に進出してきて顧客を奪ってくる可能性がありますので、模倣されにくいビジネスモデルを構築しなければなりません。

弱者の戦略で責めてくることも十分あり得ますので、「第一三共」のように弱者の戦略を打ち砕くことも大切です。

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